第10章 もっと♡にゃんこわんこ
翔はばんごはんの準備をしている間も、あんまり元気がなくて。
ぼくとかずはずっとソファから、カウンターの向こうのキッチンの翔を見てた。
「ねえ…さとし…」
「んー?」
「翔、元気がないから相葉さんや松本さん呼ぶ?」
「うんっ!そうしよう!みんなで元気にしてあげよ?」
「んふふ…じゃあ、でんわするね」
こっそりと翔のすまほをバッグから抜き出して、翔に見えないようにこっそり寝室でぽちぽちした。
『はーい?どした?翔ちゃん』
「もちもち。さとしなの」
『へ?あれ?どうしたの?さとし』
「翔ね、うんこなの」
『へ?うんこ?』
「ちがうでしょ…さとし…」
かずがぼくからすまほを取り上げた。
「もしもし?相葉せんせ?」
『あーかず。なにかと思った…翔ちゃん、うんこってなに?』
「うんこじゃなくって…それは前にさとしが便秘したときのことをねまだ覚えててね…」
『ああ。そういうこと?翔ちゃんが元気ないの?』
「そう。翔ね、元気ないの」
『風邪とかじゃなくて?』
「うん。だから相葉せんせ、おうちきて?」
『おう!わかった!今から行くから!』
「まってるよ」
ぽちってかずは電話を切った。
「松本さんも…」
寝室からキッチンの翔の様子をうかがうと、そっと寝室の窓からお庭に出た。