第10章 もっと♡にゃんこわんこ
「うお~い。ただいま!帰ったぞ!おい…なんだ、寝てるのか…?」
翔の声が聞こえたけど、眠くて眠くて…
いつもふたりで玄関までお迎えに行くんだけど、かずの体があったかくて…
かえってきたのはわかってたんだけど、かずが起きないからそのまま寝ちゃってた。
「…なんだよ…迎えにくらい来いよな…」
翔はスーツのまま、ぼくたちのそばに来てぽふぽふと頭を撫でてくれた。
「可愛い顔しちゃって…全く…」
しばらく翔はぶつぶつ言いながら、ぼくとかずを両手でなでなでしてくれた。
気持ちいい…
またねんねしちゃう…
外は完全に夜になっていなくて。
薄ぼんやりとまだ明るい。
今日は翔はざんぎょうとやらをせずに、まっすぐ帰ってきたみたい。
どうしたんだろ?
いつも忙しいって言ってるのに。
「ふう…」
なんかガサゴソして。スーツ脱いでるのかな?
それから翔はぼくとかずの上にぼふっと乗っかってきた。
「ぐぇぇぇ~~~」
「きゃぃぃんっ!?なに!?何が起こったの!?」
珍しくかずはマジ寝してたみたいで、翔が帰ってきたのわからなかったみたい。
すごくびっくりしてて面白かった。
「あ…なぁんだ…翔かぁ…びっくりしたあ…」
そう言ってぼくを見ると、照れくさそうに笑った。