第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─
「ん…」
もぞっと潤が動いて。
やかましくしてるから、どうやら目を覚ましたようだ。
「あれ…俺…」
目を瞬いて俺を見上げる潤は、とても美しい。
白い頬には、まださっきの余韻の薄い赤色が残って。
額や首筋にはまだ汗が滴って…それが一層、潤の皮膚を輝かせて、彫刻みたいに美しく見える。
なんて、柄にもなく思ってしまった。
きっと、こんな変な流れになっているからだ。
そうに決まってる。
こんなに潤が可愛く見えるのも、ニノが智が…ついでに雅紀が可愛く見えるのは。
「おまえのせいだ」
「…え?…」
「そうだ。潤のせいだ」
ニノが笑いながらベッドに乗っかって、潤に覆いかぶさった。
ギシリとベッドが揺れた。
「そうだそうだ。潤くんのせいだよ!」
「そうふぁそうふぁ!」
ベッドの向こう側からも声が聞こえてきて、潤は目を白黒させてる。
またそれも可愛いじゃねえか…
「なんの…こと…?」
キョロキョロとみんなの顔を見ると、最後に俺の顔を見た。
「…潤…?」
「うん…なに…?」
「ここにいる、全員欲しいか?」
「え…?」
キラキラ…潤の目が輝いた。
「俺は、潤が欲しいよ」
「…ほんと…?」
「おまえは…?潤」