第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─
口調は凄い強いんだが、ニノの手は優しく潤の腹を撫でている。
「…いっぺんに、こんなにたくさん…」
その目は、優しく…眠っている潤の顔を見た。
「ん?」
「気の合うパートナーが…できた」
くすっと笑うと、小首を傾げて俺を見た。
「ね?翔さん…」
いつもは天の邪鬼で…気分屋のニノが、どうやら俺の返事を待っているようだ。
いつもは見せない…ちょっと期待してる顔…
「かわいいじゃねえか…」
「え?」
ニノの頭の後ろに手を回して、ぐいっと引き寄せた。
がっつりディープなキスをかまして、じっくり味わい尽くして離してやった。
突然のことに、ニノは目を白黒させてる。
「…翔さん…もう…何、いきなり…」
「それ、乗った」
「え?」
「…俺も、気の合うパートナーがいっぺんにできた!」
「翔さん…」
一瞬目を見開いて、それから頬をピンク色に染めて嬉しそうにニノは笑った。
「ああっ…俺も!俺も!翔ちゃん!ニノ!」
「おふぇもお!おふぇもお!」
ベッドの向こう側で、雅紀とじゃじゃまるを咥えたままの智もどうやら話を聞いていたようで、乗ってきた。
「あ…当たり前じゃないっ」
ふたりを見てたニノは、恥ずかしそうにぷいっと横を向いた。