第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─
やっとリビングに潤と雅紀が入ってきた。
雅紀はくんくんと匂いをかぐと、潤の顔をすごい勢いで振り返った。
「も…もしかして作ってくれたの!?」
「え…?なに…?」
「酢豚!」
「あ…うん…」
カーーーーっとみるみるうちに顔が真っ赤になった。
「せっかく…雅紀に教わったから…今日、雅紀が来るって言うから、慌てて作ったんだ…」
か、可愛いっ…可愛すぎるっ…!
「じゅ…潤くんっ…!」
雅紀ががばっと潤に抱きついた。
「わわっ…雅紀っ…!?」
「今日は…料金は俺だけの分だけど…みんなで目一杯サービスするからねっ!!」
「ま…待って…俺、一人しか居ないのに…!と、斗真…そうだ!斗真も呼ぼう!」
「えっ!?生田さんも来るの!?」
ニノが驚いた声を出した。
そういや、生田さんからの紹介だったな。潤。
「だって、俺ひとりじゃ体、保たない…」
「でもお…潤さあ…バレるんじゃないの…?」
智がソファで股に手を突っ込みながら潤を見上げた。
パンツ濡れてるから仕方ない。
「ハーフサイズ…」
ぼそっというと、潤はムンクの叫びみたいな顔をした。
「ふふ…じゃあ、しょうがないよな?潤…今日は俺たち仕事じゃないから…気絶すんなよ…?」
ニヤリと笑ってやると、潤はブルリと震えて…
濡れた目で俺を見上げた。