第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─
「可愛いんだよね…潤…」
ぼそっとニノが言うと、俺も黙ってられなかった。
「あいつが弾けりゃイエーの瞬間…めっちゃ可愛かったぞ…」
自慢してやる。俺しか目撃してない瞬間…
そう、自分はネコなんだって目覚めた瞬間!
「あいつ、童貞失った瞬間よく覚えてないって言うわけよ。そりゃそうだ、中に入ったらあっという間だったんだからな…初めてだからそりゃ、しょうがない…でも…」
「そうなんだよ!でも、ネコに回った瞬間のあの可愛らしさ…!」
珍しく智も熱弁してくる。
おい、俺にも言わせろ。
「俺、あんまタチに興味ないのに、あの可愛らしさ…なんか脳に来るっていうの…?俺のなかの眠ってたオスが目覚めるっていうの?なんなのあれ!?」
ぐおおおとか言いながら、床に転がりだした。
「…なんか変なフェロモン出てんのかしらね…潤…俺も、なんかすっごい変だったわ…おもちゃ挿れていじめてやろうと思ってたのに、あんなことになるなんて…」
「フェロモン…そうかもっ!」
智が寝転がりながら、手を上げて人差し指で天井を指した。
「あの子、ネコのフェロモン出してるんだっ!」
雅紀が目をパチクリしてる。
「そ…そうなんだっ…今度絶対、フェロモン感じてやろう…」