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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第2章 今日の猫来井さん③


こ、これはーーーー!!!

「いっ…いけませんっ…なんて格好…!」

慌てて猫宮さんに駆け寄ろうとしますが、がっしりと猫本さんに捕まえられていて、身動きが取れません。

「こんな時間からまたたびだなんて!猫本さんっ…」
「えー…だって、これが俺の仕事だし…」
「へ?」
「俺、今日は和から依頼を受けて、またたびの配達に来たの」
「どういうことでしょう…?」
「俺、政府公認のまたたび配達人なの」

なんということでしょう…

昨年度、正式に法律で定められた、またたび配達人ですと!?

我々猫族は、元来またたびの香りに弱いものです。
匂いを嗅ぐと、我を忘れて仕事にならなくなり…
面白がった人族が、街なかでまたたびをばらまくという事件が起こったりしておりました。

困り果てた猫族で、どうにかまたたびを法律の元で扱うよう決めてほしいとかねてから要望を上げており、やっと実を結んだところです。

”またたび配達人”とは、法律に則り正しくまたたびを猫族に運搬する人のことであります。

「俺、またたびに強い体質だから…この商売うってつけでさ」
「そうだったんですか」

自由業とは聞いていましたが、道理で羽振りがいいと思いました…

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