• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第2章 今日の猫来井さん③


「にゃっにゃっにゃっ…」
「ぶっ…すげえ猫語に戻ってるけど…?」

どんどん近づいてくると、しゅるりとまた長い尻尾が私の腕に巻き付きました。
今度はキツく。

「は、離して…」
「猫来井さん…」

ふんわりと、猫本さんから香りが漂ってきます。

「これは…」
「ふふ…気づいた…?」
「い、いけませんっ…近寄らないで…!」
「いいから…もっと感じろよ…」
「にゃっ…」

逃れようとしても、今度は猫本さんにがっしりと腕を掴まれて。

「ふにゃぁ…」

ぐんと強く、香ってきます…

「ち、力が…入らにゃい…」
「ふふ…いいだろ…昨日仕入れたんだよ…」

私の腕を掴んでいるのとは反対の手が、ジーパンのポケットから袋を取り出しました。

「国産の ま た た び だ…」
「ふにゃあっ!!」

い…いけませんっ…いけません…!
仕事中にまたたびなどと!

「お…やめください…」

飛びつきたくなるのを必死で堪えます。

「私は…仕事…ちゅう…」
「いいよ…だって、依頼主の和があんなになってるんだぜ?」

猫本さんが振り返って寝室の方をご覧になりました。
寝室のドアには、パジャマの上着を羽織っただけのしどけない格好の猫宮さんが、もたれかかってこちらを見ておりました。

「猫潤…もっと…ちょーらい…?」

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp