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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─


「あんな才能見せつけられたら…俺…」

ぐすっとニノは鼻を啜った。

「えっ…ニノちゃん…?泣いてるの?」
「泣いてないっ…」

でも雅紀の手はティッシュボックスに掛かってて。
すっとそれをニノの前に差し出した。

「…我慢してなくていいんだよ…?」

無駄に優しい。
でも、女はこういうのに弱い。

そしてニノはメスだ。
だからこういうのに弱い。

「ばっ…ばかぁ…」

ちょっとだけグズグズと泣くと、ティッシュを取った。
ぶびーっと鼻をかむと、上を向いた。

「最初は…ちょっとした、いたずら心だったのに…」
「へ?」

智が、ちょっと何を言ってるのかわかりませんの顔で俺を見た。
だから見るな。

「俺、タチなんて本当は興味なかったけど…でも、俺よりも才能あるんだから嫉妬…っていうの…?」
「お…おお…」

わけがわからないながらも、雅紀は優しいからちゃんと相槌を打つ。

「だから、一回だけ挿れてみようって…思ったら…」

またティッシュを取って、ぶびーっと鼻をかんだ。

「…めっちゃ…よかった…」
「えっ…ええっ…!?」
「そんなに…!?」

雅紀と智は身を乗り出した。

「あんなに…気持ちよかったの…初めてかも…」

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