第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─
仕方ないから、ポンポンとニノの頭を撫でてやった。
「…俺が聞きたいって言ってるんだけど?」
優しくそう言うと、少し怯んだ目をして俺を見上げた。
「…もう…なんなのお…?」
「おまえの話を聞きたいの。な?言って?」
するりと背中に手を滑らせて、背筋をすっと撫でてやると、びくっと身体を反らせた。
「やっ…翔さんっ!」
「おら、言わないともっとやるぞ?」
「こ、これから仕事なのにっ」
さっき盛ってたのはどこのどいつだ。
でも感じやすい身体というのは便利だ。
脅しに使える。
「もお~!」
バンっとテーブルに手をつくと、立膝になって。
俺が渡したお茶を飲み干した。
「だって!可愛かったんだもん!」
「ほえっ!?」
雅紀と智がびくっと身体を震わせた。
「あんな…俺よりも可愛い男…出会ったことないわ…」
そうつぶやくと、しおしおと勢いがなくなって。
座布団に女の子みたいにぺたりと座った。
「しかもさあ…智に一回だけ掘られただけっていうのに…中で感じてるんだよ…?そりゃ、おもちゃ突っ込んだけどさあ…」
「えっ…!?へっ…!?」
智がびっくりした顔をして俺を見た。
だから俺の顔見るな。