第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─
「ずるぅい!俺もぉ!翔ちゃんっ俺もぉ!」
智がこっちに飛びついてきて。
ニノごとぐしゃっと横倒しに床に倒れた。
「うわぁぁっ…」
「ちょっ…さとっ…」
「俺もえっちしたぁいっ…シコってよお!」
なんなんだよお…盛りやがって…
なんでこんな待機部屋で盛れるんだよお…
「智っ!いい加減にしなさいっ…」
「ぐぇぇ…」
雅紀が智の襟首を、猫みたいに持って運んでいった。
ネコだけに…って、おっさんかよ、俺。
「なんなのよお…あんた…」
すっかり冷めたニノの声が聞こえた。
なんとか冷静にはなったみたいだ。
「だってぇ…もう今日、我慢できないぃ…」
「おばかっ…お猿っ…」
「さるでいいもおん…」
なんとか身体を起こすと、ニノも半身を起こした。
「もお…ごめんね?翔さん…」
「あ、いや…」
俺はお前の暴走を止めるためにだな…
「続きは今度ね…?」
そう小さく囁いて、ウインクした。
ちょっとうずっとしたのは内緒だ。
雅紀が智を座布団に正座させて、くどくどと怒っている。
「智っ…これからお仕事でしょっ!?」
「わかってるんだけどお…」
「昨日だってザクザク指名入ったんでしょっ!?」
「だってぇ…みんな下手っぴだったんだもん…」
そりゃ…お気の毒だったなぁ…