第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─
そのまま身悶えしてる智は、ほっぺを赤く染めた。
「俺ぇ…童貞じゃないけどさあ。でもちんこ突っ込んで、あんな気持ちになったことはないんだよぉ…」
「へえ…?」
ニノが智に手を伸ばして、落ち着かせるように猫っ毛の髪の毛を撫でた。
「ふにゅ…きもちい…」
「…で?どんな気持ちになったの?」
「ん~…なんかぁ…ずっと中に居たいっていうの…?」
「ほう…」
「で…俺、普段さあ…仕事で、好きとか言わないんだけど…言わせちゃったっ」
ってまた身悶えし始めた。
「言って?ってお願いしたらさぁ…超カワイイ顔して…真っ赤になって、目ぇ潤ませて俺を見上げるんだよ…?んで、ちっちゃい声で…しゅき…ってさぁ…あああ!」
いつの間にかニノが、智の髪の毛を鷲掴みにしてる。
「にっ…ニノちゃん!?」
雅紀が慌ててニノの手を剥がそうとしてる。
「さ、智の少ない髪の毛抜けちゃう!」
「なああにいいおおおお!?」
「いだああああいっ…やめてぇえええ!」
やばい。完全にオスになってる。
やばい。これは俺でも怖い。
「翔ちゃんっ…!ボケっとしてないで止めてよっ!」
雅紀がすごい顔でこっちを見るから、仕方なくニノのシャツの脇腹に手を入れた。