第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─
「…でさ、もうさ…何が可愛いってさ…」
喋りだしてすぐにまた、思い出したのか、ぐふっと笑い出す。
「…アソコのサイズ…ちょーーーーーかわいいのっ!」
三人でまた目を合わせた。
…もう、アイツのことで決定だ…
「おっきくなってもあんまサイズ変わんなくてさ。またそれをさ。…くううう!恥ずかしがってる姿が、まためっちゃそそるわけよっ!」
身を捩ってブンブン頭を振っている。
よっぽど雅紀のやつ…
「ふうん…?」
ニノが面白くなさそうな顔をして、テレビのリモコンを手にとった。
チャカチャカとチャンネルを変えてる。
「どうしたの?ニノちゃん?」
「あ?なんでもねーよ。続けて」
「へ?」
めっちゃ機嫌の悪いときのニノは、普段はメスっぽく振る舞っているけど、オスに立ち返る。
とても怖い。
雅紀が訳解んないって顔でこっちを見る。
俺は、肩を竦めるしかなかった。
「で?そっからどうしたの?」
智がテーブルに突っ伏しながら、雅紀を見上げた。
「えー?んふふ…キッチンでさぁ…立ったまま…」
「えっ!?あのきれいなキッチンで!?」
「へ?智?」
「あっ…ううん。なんでもないの…」
ばか…バレバレだろうが…智め。