第9章 からふるどろっぷすす from ドラジェ ─dragee─
ネコふたりとタチくんは、主婦みたいな井戸端会議をしている。
「はい、お茶どーぞ」
雅紀がお茶の入ったカップを差し出してくれた。
「ありがと」
俺は、ふとこの前のことを思い出した。
「なあ…智もニノも、ネコ専門じゃなかったの?」
「は?ネコ専門ですけど?」
「俺もぉ。何いってんの?」
ふたりとも、しれっと答えた。
お…?
意外とコイツラ、女狐なのか…?
しらばっくれやがって。
俺が指名ナンバーワンなのは、ネコもタチも両方やるからで…
こいつらはネコ専門なのにこんなに人気があるのは…
俺と一緒で、めっちゃ性欲が強いから。
なんで知ってるかは…まあ、あれだ。
あれなんだよ。うん。
だから他のヤツと違って、毎日だって働けるんだよな。
あとはやっぱ技術があるのと、俺にはない女みたいな可愛い見た目からで…
やっぱ、見た目可愛いのって、女に近いのかな。
「へーぇ…?」
「なにその意味深な”へー”は」
ニノがスマホを放り出した。
「別にぃ?」
「なあに?」
智もすっとぼけた顔で…わかりやすいと思ってたけど、意外と侮れないんだな。
「なんでもないって」
なんか癪に触ったから、言うのは止めておいた。
「あっ!この前さあ…あたりのお客さんだったよ!」
雅紀が空気を読まずに、ぶっこんできた。
「すっごい、可愛かったの!」