第8章 遠別
スープとロールパンとスクランブルエッグを腹いっぱい詰め込んで。
少し汗までかいて。
俺たちの朝飯は終わった。
少し足も動くようになったから、俺は茶碗洗いを買って出た。
君は、それなら雪かきすると、表に飛び出していった。
「あんま、張り切りすぎないでねー」
飛び出していく君に、そう声を掛ける。
「わかったー!終わったらシーツ換えといて?」
「うーい!」
まあ、ゆっくりやればできるだろう。
茶碗を洗い終わって、替えのシーツを押し入れから取り出して。
ゆっくり動いて布団のシーツを取り替えた。
「あちゃー…」
見事に掛け布団にも被弾している。
どんだけ元気なんだ俺たち…
もうすぐ四十路なのに。
掛け布団のシーツも取り替えたら、洗濯機に放り込んだ。
放り込んだら、乾燥機に放り込んでた服を取り出した。
北国の冬は、洗濯物が乾かない。
室内に干してても、あまりすっきりとは乾かない。
一日中家に居てストーブを焚いてたら別なんだけどね。
日中は、仕事でふたりとも居ないから、乾燥機にぶちこむしかない。
幸い、前に住んでた人が旧式の洗濯機と乾燥機は置いて行ってくれていて。
ありがたくそれを活用させてもらってる。
つか、そんなことも俺たちは知らないで…
ほとんど着の身着のまま、この地に来たんだ。