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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第8章 遠別


君に抱き上げられて、やっとこさ風呂を出る。
脱衣所に上がったら、お互いの身体を拭きっこして。
君はくすぐったがりで、すぐ笑って身体を捩るから、全然拭けないんだよな。
いつも。

「ちょっと、じっとしててよ!」
「だあって…くすぐったい…」

今日俺、まじで足動かないのに…
逃げていくんだよ…君は…

「待って!」

思わずでかい声を出したら、君はぺろりと舌を出した。

「かわいい舌じゃないか…引っこ抜いてやろうか…」
「もう、抜かれる運命だもん。だからいいよっ」

そう言って、勢いよく舌を出した。

「バーカ」

思い切りつまんでひっぱってやったら、しばらく再起不能になってた。

「もお…おばかあ…」

身体が拭けたら、もこもこに着込んでリビングに戻った。

「しゃむいしゃむい…なんか温かいもの作るね」
「うん。昨日、晩飯食ってないから…腹減った…」
「じゃあ、たくさん作る!」
「頼んだ」

リビングの布団には寝られない。
精液臭い。
我々が出したものながら、やっぱり臭いものは臭い。

あとで動けるようになったら、シーツを変えよう…

テレビがないから、部屋の中はしんとして…
君が料理を作っている音だけが、聞こえてくる。

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