第8章 遠別
「ぶぶ…ぶぶぶっ…」
風呂に入っても、まだ君は笑ってる。
「んだよ…笑いすぎ…」
「だあって…鈍すぎ…」
「仕方ないだろ…俺の体力電池ゼロだぞ…」
昨日の夕方から、何発したと思ってんだ…
「この年で、ありえない回数したんだぞ…もっともっとって言ったの、誰だっけ?」
「えー…?俺ぇ…?」
「そう、正解。あなたです」
ぶうっとほっぺたを膨らますと、少し湯の中に沈んだ。
「いーじゃん…今日、休みなんだし…」
「いいけど、だったら笑うんじゃないよ…」
ブリトーは旨かったけどね。
腹はヒリヒリしてる。
ぷうと膨らんでるほっぺを指で突いたら、ぷうっと萎んでいった。
「今日は、俺が料理当番するね」
「当たり前だ。俺、立てないもん」
久しぶりに後ろの口使ったからか、腰も痛いし…
腿も膝もガクガクだから、真っすぐ立ってる自信がない。
「あ、ねえ…そういや、俺、髪の毛までカピってたんだけど…」
「あ」
そう言って、頭までお湯に潜り込んだ。
「おい…」
どうやら、俺が気絶してから顔射かましたらしい。
「…なにやってんだよ…」
お湯の中でわかめみたいになってる髪の毛をガシッと掴んだ。
引っ張り上げると、気まずそうな君が収穫できた。