第8章 遠別
だれもいない
俺たちしかいない部屋
外で吹き荒れる吹雪の風
じっと俺たちを照らす石油ストーブの灯り
俺を愛撫する君から聞こえる音
時々強い風の音とともに漂ってくる君の体臭
そのどれもが
俺たちのしあわせな時間を作ってる
「あっ…」
前立腺を弾かれて、思わず仰け反る。
「んふ…」
俺自身を咥えながら、君は微笑んで。
亀頭をチロチロと嬲るように舌で撫でたかと思うと、また同じ場所を弾いた。
「っ…う…」
同時にくる快感に、思わず手で口を塞いでしまった。
「…声出してよ…」
ぬるりと俺を口から出すと、不満げな顔をする。
「だ…って…」
「俺しか、聞いてない」
そう、だけど…
そうなんだけど…
「いつもの…癖…」
「ふうん…?」
君は起き上がると、布団から離れていった。
洗面所まで行って帰ってくると、にやりと笑った。
布団の上にあぐらをかいて座ると、俺自身をぎゅっと掴んで。
「な…なに…?」
「いつまでも昔のこと忘れないから、お仕置き」
そう言って、俺自身の根本に髪ゴムを巻きつけた。
「ちょっ…冗談キツイっ…」
「冗談じゃない」
至極、真面目な顔をして。
指を外してしまった。