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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「今日は、船が出るの…?」
「ああ。サクミルが…」
「えっ…?」

サクミル王子がヒッタイトにニノシスを連れて帰る日だった。

「そうなの…?」
「ああ。彼の地へ行けば、ニノシスも悪さはできまい…」
「…そっか…」

窓からぼんやりとナイルの方を眺めていると、人だかりがこちらに近づいてきた。
その中にひときわ目立つ異国の格好をした、サクミル王子が見えた。

こちらに手を振っている。

ジュンフィスが軽く手を振り返すと、サクミル王子は頭から布を被った、メジェドみたいになってる人を連れてこちらに歩いてきた。

「なに…アレ…」

ジュンフィスの顔を見上げたけど、ふふっと笑ってる。

「やあ!シャトシ!ヤリ疲れか?」
「ぶふぉっ…や…ヤリ疲れって…」
「…大野…」
「え…?」

メジェドから俺の名前が聞こえた。
空耳かと思ったけど、たしかに聞こえた。

「え…?へ…?」
「大野…だな…?俺だ…」

メジェドが被ってる布を捲くりあげた。

「えっ…えええええええっっ…!?」


そこには…櫻井教授が居た。


「なっえっ!?なに!?ええええっ…」

目の前に、同じ顔が2つ並んでる。

「なんでここに!?」

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