• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


次の日、腰とケツが痛くて。
全然起き上がれなかった。

こんなに…痛いものなんだな…
知らなかった…

「シャトシ、起きられるか…?」

ジュンフィスが、一日政務を休んで、付ききりで部屋に居てくれて。
なんだか申し訳なかったけども、でも嬉しくて。

「ううん…だから、抱っこして?」

寝台に寝転がりながら、ちょっと甘えてみた。

「…可愛い…」
「え?」
「なんでもない」

ゆっくりと寝台に乗り上げてくると、俺のこと横抱きにしてくれた。

「ほら、飲めるか?」

そう言って、飲み物の入った柄のついた金杯をマサスから受け取った。

「うん…」

この時代だから、冷たいものってわけにはいかなかったけど…
甘い液体が、疲れた身体に心地よかった。

「ありがと…マサス…」

このドリンクは、マサスの家の秘伝の水だそうだ。
一体何が入ってるんだか…聞かないほうがいいだろう。

「いいえ。早くお元気になってくださいね」

ちょっと誂うような口調に、恥ずかしかった。
でもだるくて…ジュンフィスの胸に凭れながら、顔を隠すこともできなかった。

ナイル川の方が、今日はなにやら騒がしい。
大きな船が、今日出ていくらしく、バタバタと人が行き交ってる。

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp