第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
呆然とその後ろ姿を見ていると、マサスとマツーオカ将軍が立ち上がった。
ふたりとも、事情は知っていたのかニコニコしている。
「それでは、私共はこれで…」
「よい夜を…」
そう言って、マサスは小さなツボを向かいのベンチの上に置いた。
「あっ…」
これ、あの薬…?
「待て。マサス…」
ジュンフィスが二人を呼び止めた。
またゴソっと何かを取り出した。
「ぶっ…それっ…」
金色に光る、鶏の置物…
干支のお飾りみたいな、小さいものだけど…
なんでこんなところに!?
「…これは、オレノトーチャンニワトリという…俺の呪術に使う道具だ」
「えっ…へっ…!?」
「俺に力が身についた時、神から授けられたのだ…」
う…
うっそーーーーーー
「これは今から封印する…マサス。おまえに預けておく」
「…わかりました…」
マサスは懐から布を取り出すと、ジュンフィスから金色の鶏を受け取り、丁寧に包んだ。
それを懐に入れると、一礼した。
「私の家で、永久に…」
「頼んだ」
「では…」
さっとマントを翻すと、ダーオカを連れて二人は部屋を出ていった。
「え…?ええ…?」
一体…なにがどうなってるんだ…
あの道具は一体…なんなんだよおおおお…!?