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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「シャトシの住む世界では、そうではないのだろう?」
「え…うん…」

いいのかなあ…
ファラオがこんなこと悟っちゃって…

歴史、変わってしまわないのかな?

「だから、姉上も…ニノシスも、復活しないから、あのような力を得たのだ」
「…そうなの…?」
「俺も…だから…力を得たのだ」
「へ…?」

どういうことなんだろう…

「シャトシにもう一度…もう一度会いたいと…そう願ううち、ニノシスと同じ力を得たとしたら…?」
「あっ…」

俺に…会いたいという願いで…

「…本当に…?」
「ああ…」
「ジュンフィス…」

胸がまた、いっぱいになった。

そんなに俺のこと…

「あの場所…あの聖なる場所に…シャトシの世界のあの場所に、術を施しておいたのだ…」

ぽろっとこぼれた涙を、ジュンフィスの手が拭っていく。

「残念ながら…シャトシのいる場所まで行くことはできなかったがな…力がまだ…足りなかった…」
「うん…うん…」
「でもシャトシは…見つけた…見つけてくれた…」
「うん…」

だって、会いたかった

どんな形でもいいから、ジュンフィスにもう一度…
会いたかったんだもん

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