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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


長い長い時間の流れのなか…
ジュンフィスの墳墓を見つからないように、隠して…

自分は呪いの化身みたいになっても、隠し通して…


横穴を延々と掘ってる時に、そんなことを思ったりした。


俺だったら…
俺がもしも、ニノシスの立場だったら…

一体どうしただろう

ニノシスと同じように、呪いの化身みたくなっても…
イシスのように忌み嫌われる容姿になってでも…

ジュンフィスの恒久の眠りを、守ったかも知れない


「…だから、ニノシスのこと…憎みきれないな…」

そう思ってた。

「…人が良すぎるであろう…憎みきれないなどと…」
「へ…?」

思ってただけなんだけど…
最後の方は、どうやら口に出していたらしい。

俺ってば…

「ニノシスは…そなたを殺そうとしたんだぞ…?」
「え…まあ…そうだけども…」

ジュンフィスの顔が不機嫌に歪んだ。

「…俺の正妃を殺そうとしたんだぞ」
「でも…」

俺がここにこなかったら、正妃になったのはニノシスだったのに。

「死んだら、何もならない」
「え…?」
「死んだら、復活しない…のであろう?」

この時代は…まだ身体を残しておけば、未来に復活できると、そう信じられてる。

だから、ミイラを作り続けていたんだ。
ここからあと、何百年もその信仰は続いていく。

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