第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
「おかえりなさい…ナイルの娘…」
「心配しましたのよ…」
また、例の大きな風呂に、女官たちに入れられてる。
深めの石でできた浴槽にいっぱいの湯が入ってる。
その中に身体を沈められて、薬草の入った袋で撫で回されてる。
「う…うん…」
アソコまできれーに撫でられて、参った…
「うひゃんっ…」
「あら、おかわいい…」
「あいかわらずですこと…」
おまえらも相変わらずだなっ
風呂からあがると、身体をきれいに拭かれて、そして懐かしい古代エジプトのワンピースを着せられた。
アクセサリーは、前よりも豪華になっていて…
髪にも前みたいに、いっぱいなんかつけられた。
「これ…前よりピカピカしてない…?」
黄金がふんだんに使われていて眩しい。
「王妃ですもの…」
「あっ…そっか…」
俺、ジュンフィスの奥さんになったんだった。
「お忘れになってはいけませんよ…シャトシ様…」
くすくす笑われて恥ずかしかった。
そのまま、部屋に通された。
俺が使っていたナイル川沿いの豪華な部屋だ。
外は夕暮れが迫っていて、空のオレンジ色がナイル川に写ってる。
「ナイルの娘っ…」
そこには、涙でグシャグシャになったダーオカが居て…
「ナイルの娘よ…よくお戻りで…」
マツーオカ将軍も俺に向かって跪いていた。
「こら…今は、王妃だぞ?忘れたか?」