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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~



一瞬、目が眩むような真っ白な光が目の前に広がった。





「え…?」

身体が軽い。
砂に埋まったはずなのに…
痛みも感じない。

誰かが、俺のこと後ろから抱きしめてる。
そう感じることはできるんだけど…なにも見えない。
真っ白になった視界が戻ってくるのに、時間が掛かった。

「やっと…戻ったか…」

松本の声が聞こえた。

「まつ…もと…?」
「また、マツモトか。誰なんだソイツは」
「へ…?」

目がだんだん慣れてきた。
暗い中、松明の明かりが見える。

どうやら石畳の上に、誰かに抱きしめられて寝転がってる。

ここは…神殿…?

「恋人だったら許さんぞ」

ぐいっと顎を持たれて、上を向いた。
その視界に入ってきたのは、ジュンフィスだった。

「え…?ジュン…フィス…?」
「ああ…マツモトとやらじゃないぞ?」

長い髪がサラリと俺の顔に掛かった。
俺のこと、後ろから抱きしめているのは、ジュンフィスだった。

飛び起きて周りを見たら、そこは俺たちが婚儀を上げた神殿だった。

「ジュンフィス…」

振り向いたら、微笑んで…
そして両腕を大きく広げた。

「やっと見つけたぞ…手間を取らせおって…」

そして、ぽろりと涙をこぼした。

「会いたかった…シャトシ…」
「ジュンフィスっ…」

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