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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


必死に、壁の砂を手で払った。
ヘルメットに着けてるライトじゃ、広範囲を照らせないから、全体がどうなってるかよく見えない。

でも必死にそのヒエログリフが見えるよう、砂で埋まってる文字を読み取ろうとした。

「ジュン…フィス…」

その中に、ジュンフィスという文字を見つけた。

「ジュンフィスっ…!」

この墓は、偉大なファラオのジュンフィスのものだって
そう書いてある

「ジュンフィスっ…」


本当に…居たんだ…
ジュンフィス…本当に居た…!


涙で、視界がぼやけて困った。

「うっ…うう…」

嗚咽もこらえきれなくて漏れてくる。
それでも、手を動かすことを止められなかった。

「ジュン…フィス…ぅ…」

ぼたぼたと涙が落ちていく。
泣きながら、必死に砂を掻き出して、ヒエログリフを読んだ。



ジュンフィスは偉大な王

民の言うことをよく聞き
よい政治をした

太陽神ラーとナイルの女神の恵みを
一身に受け

偉大な王としてエジプトを統治した



「ジュンフィス…ジュンフィス…」

あんな我儘だったのに…
あんな横暴だったのに…

俺の言うこと聞いてくれたのかな…

民の言うことよく聞き…


偉大な王になったんだ…


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