第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
ナイルから吹く、やわらかい風が心地いい。
宴席のすぐ横はナイル川になっていて、川岸まで石畳になってる。
その縁まで行って、石畳に腰掛けた。
「ふう…」
あのどぶろく…ビールなんだろうなあ…
あんなだったんだなあ…
あれからいろいろと調べてみたら、確証は持てないんだけど、やっぱり第4王朝なんじゃないかなあって思う。
ギザではピラミッドを建築中という。
どのピラミッドかはわからなかったけども。
下エジプトに行った時、ナイル川からみたギザはまだ三大ピラミッドは建ってないようだった。
ジュンフィスのお父さんの名前、聞いてみたけど聞いたことのない名前だった。
「やっぱり…未発見の王なんだなあ…」
ニノシスが、現代まで来て墳墓を守っていたんだもんな…
一体、どうやってそんな力持ったんだろう。
「…呪いは専門外だぞ…」
確かに、この時代は呪術とか盛んだけども…
あんな本当に、現代と古代を結べる力なんて。
一体どうやったら持てるのやら…
「やっぱり…化け物だったのかなあ…」
なんていろいろ考えていたら、後ろから抱きしめられた。
「どうだ…?シャトシ…」
「ジュンフィス…」
「目が覚めたか?」