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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


そのまま、しばらく眠ってしまった。
外からは物音も聞こえてこないし、静かな夜だった。

起きたら、まだマツーオカ将軍は部屋に居て。
風呂に入れだの、ご飯を食えだの…
オカンみたいに世話してくれる。

「あのお…」
「なんでしょう?」
「ジュンフィスは…」
「ああ…まだサクミル王子とお話をされています」
「そっか…」
「心配なさらなくても大丈夫ですよ」

そう言って、にこにこしてるから…
だいぶ頭のごちゃごちゃが取れてきたから、質問してみた。

「あのお…」
「なんでしょう?」
「ニノシスは…」
「ああ…」

少し顔を曇らせた。

「…まあ、お聞きにならないほうがいいでしょう」

と言って、黙り込んでしまった。

もしかして、処刑…とかなのかな…
どうなっちゃうんだろ…

「…あの方はイシスに魅入られたのだ…」

そうポツリと呟いた。

イシスとは、エジプト古代神話に出てくる女神だ。
時代によって、全然信仰のされ方が違う。
生命の母的な扱いをされているかと思ったら、頭が牛になってたりする。

この場合、化け物的扱いってことかな…

そりゃ…現代で墓を暴かれないようにとか…
しかもここに俺を連れてくるなんて…一体どんな力持ってたんだろう。

あんなことできるなんて…化け物ってことだよな。

ゾッとした。

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