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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「ぐ…ぐぐ…」

そしてなんだか、うめき声を発している。

「おとなしくせぬか…」

その声は、サクミル王子の声じゃなかった。
誰かが、後ろからニノシスの頭を鷲掴みにしている。

棍棒は、サクミル王子がこれまた後ろから押さえていた。

「無事か…シャトシ」
「う、うん…なんとか…」

サクミル王子はコクンと頷くと、棍棒をニノシスから取り上げた。
抵抗しようとしたニノシスは、頭を掴まれてるから動けない。

「はっ…離せっ…!無礼者っ…!」

ニノシスが暴れようとした瞬間、後ろに居た人が手を離した。
暴れようとした勢いで、よろめいたニノシスは床に膝をついた。

「姉上…残念だ…」
「え…?」

薄暗い廊下が、静寂に包まれた。

「サクミルの言うとおりであった…」

ニノシスの目が驚きで見開かれた。

「ジュンフィス…」

ニノシスが振り返った先には、腰に布をまとっただけの姿のジュンフィスが立っていた。

「この目で見るまでは、信じられなかったが…すまなかった。サクミル」
「いいや…いいんだ。とにかく、これで真実だとわかったろう?」
「ああ…」

薄暗い中、ジュンフィスは泣きそうな顔をして立っている。

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