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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「…男なら遠慮はいらないな…」

ぼそっとサクミル王子が呟いた。

「へ…?」
「シャトシも男なら、自分の身は守れるな?」
「え…でも、俺…」

ニノシスは現代では軍隊で訓練受けたって言ってた。
そんなのに勝てるわけないだろ!?

「む…無理だよおっ…」
「やかましいっ!男なら守らんからな!」

き、きちくうう~~~~~!

「死ねえっ…」

そんなこと言ってる間に、ニノシスがまた棍棒を振り下ろしてきた。

「うわあっ…」

慌ててまた、サクミル王子とは逆方向に身体を倒して逃げた。

ガツンっとすごい音を立てて、棍棒が床に激突した。
大理石のはずの床が、ちょっと欠けてる。

ぞっとした。
あんなので頭殴られたら、即死じゃんっ…

「っ…」

立ち上がって逃げようとしたけど、ワンピースの裾を踏んでコケてしまった。

「わああっ…」

床に伏せたまま見上げたら、ニノシスがこっちに向かって棍棒を振り下ろしてる瞬間だった。

「大野!おまえから死ねっ…」

もうだめだっ…
そう思って目を閉じたけど、衝撃は来なかった。

「…へ…?」

恐る恐る目を開けたら、ニノシスの動きが止まってた。

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