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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「い…いつ男になったのだ!?」

こんなときなのに、転がったまま、床に手を付いて聞いてくる。
俺もまだ体勢整ってないのに!

「最初から男だっ!!」

なんとか起き上がって、ニノシスに向き合う。

「じゃあなぜ女の格好をしておる!?」
「だーっ!うっさい!」

サクミル王子は天然なのかな。
今、そこ言ってる場合じゃないっつーの!

「待て…待て!ニノシスも男!?」

頭をかきむしりながら混乱している。
ほんと、天然だな!

「そんなこと言ってる場合じゃ…」

ぶんっとまた俺のほうに棍棒が降ってきた。
なんとか避けて、サクミル王子の方に逃げることができた。

「その身のこなし…男…なのか…?」
「もおっ!男だよ!俺は!ニノシスも!」
「本当なのか…本当に…?」

まだ信じられないと、呆然としている。
のんびりさん過ぎるだろっ!

「ジュンフィスがそう言ってた!」
「ちょ…どうなってんだよ…」
「俺が聞きたいよっ…」

ニノシスは、ゆらりと一歩踏み出した。

「ふん…そこまで知られたら…おまえも生きてアッカドに帰すわけにはいかない…」
「なんだと…?」
「あの邪魔な妹も殺してやる…」

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