• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


身体を起こすと、サクミル王子の向こう側に、黒い装束に身を包んだニノシスが見えた。

「…じっくりこちらで殺してやろうと思ったのに…まさかおまえまで…」

その目は、サクミル王子を通り越して、俺のこと睨んでた。

「ジュンフィスの心を盗むとは…大野…邪魔なやつ…!」

…まさか…
さっき、見られてた…?

「…まとめて、最初からこうしておけばよかったわ…」

手には長い棍棒が握られていた。

「死ねっ!」
「ひゃっ…」

大きく振りかぶって、振り下ろしてきた…!

サクミル王子が俺を庇いながら、横に飛び上がった。

「ちぃっ…」

舌打ちしながら、ニノシスはブンブン棍棒を振り回してくる。

「やめろっ!ニノシス!」
「ええいうるさいわっ!」

サクミル王子は俺を庇いながらも、棍棒をスイスイと避けている。

「女性に乱暴はしたくない!やめるんだ!」
「え…女性?」

あ、そうか。知らないのか。

「さ…サクミル王子っ…」
「なんだ!?」
「あの人、男…」
「はあっ!?」
「ついでに言えば、俺も男…」
「なっ…なんだと!?」

言ってる俺たちの頭上に、また棍棒が降ってきた。

「うわあっ…」

慌てて左右に別れて飛び退いた。

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp