第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
「ふが…ふが…」
「えっ…サクミル王子…!?」
サクミル王子が猿ぐつわされて、腕と足を縛られてる。
「どっ…どうしたの!?」
どうやら、薄暗くてよくわからなかったけど、サクミル王子の足に躓いてしまったようだった。
慌てて猿ぐつわを解いた。
「シャトシ!逃げろっ!」
「えっ…?!」
「ニノシスが怒り狂っておまえのこと探してるぞ!」
「えっ…えっ…!?」
「ジュンフィスと…なんかあったのか?」
「え…えと、その…」
最後まではしてないけども…
あった。
「は、はーん…」
「な、なんだよ」
「ヤった?」
「や…ってないもんっ!」
「へえ…?」
疑わしい目で俺のことジロジロ見るから参った…
「とにかく、これ解いてくれ」
「あ、うん」
とりあえず、先に腕の縄を解いた。
足の縄を解こうとサクミル王子のほうにかがんで、解いた瞬間…
「危ないっ…」
「うわっ…」
急にサクミル王子に抱きしめられて、床に押し倒された。
「なっ…なにっ!?」
ガツンと凄い衝撃が来た。
「う…」
「サクミル王子!?」
起き上がろうとしたけど、サクミル王子の手が押し止める。
「ニノシス…」
「えっ…」