第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
「えっ…んまっ…待ってっ…俺、男!」
「そのようなこと、何が問題がある!」
「は、はあっ!?でも世継ぎとか…ほら、子供!産めないし!」
「それがなんだというのだ。俺には弟やら妹がいっぱいおる。その中のどれかが産んだ子でいいだろ。そんなもの」
ええええーーー!?
だって、直系を絶やさないために、近親婚ばっかしてたんでしょお!?
何いってんの!?
「だって!妻って…男がなれないでしょっ!?」
「はあ?姉上だって、男だぞ!?」
「…へ…?」
「小さい頃からなぜか女の姿が気に入って、もう女として扱っておるが…」
だから…俺が男だってわかっても、驚かなかったの?
「なん…なんだって…?」
ま…待って…
じゃあ、ニノシスって…ニノールのときの姿が本当の姿なの!?
「なのに正妻にしようとしてたの!?」
「そりゃあ、下ナイルは姉上が手放さないから…必要だったし」
ファラオとしての下心満載だったんだねっ
「でもどうすんのさっ…俺を妻にしたら、下ナイル手に入らないよ!?」
「そんなもの…今まで通りでいいではないか」
ちょっとおお…
あのニノシスが、そのままにしておくと思ってるわけ…?
それに…サクミル王子だって…
俺を妻にするなんて言ったら、黙ってないでしょぉ…?