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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「シャトシ…」

ジュンフィスが、顔を上げた。

「ジュンフィス…」

その表情は、キラキラと輝いていた。
子供みたいに純真で…

可愛い…

思わずちゅっとキスしたら、ジュンフィスは真っ赤になって。
ゆっくりと身体を近づけて、キスをくれた。

「俺は、ジュンフィスが好きだよ…」
「シャトシ…」
「ジュンフィスは?」

もういいや…男だって、古代人だって、ファラオだっていい。
俺、ジュンフィスがすきだもん。

「す…きだ…」
「嬉しい。嬉しいよ…ジュンフィス…」

またキスをしたら、またジュンフィスも返してくれて…
何度も何度も、キスをしてたらいきなり押し倒されて。

がばっと覆いかぶさって、俺の顔をじっと見つめた。

「…どうしたの…?ジュンフィス…」
「シャトシ…ナイルの娘よ…」
「え?」

いきなりなんでそんな呼び方…

「俺は決めた」
「なにを?」
「姉上との婚儀は取りやめる」
「え?」
「もちろん、アッカドの姫も帰す」
「う、うん…?」

ぎゅっとジュンフィスは目を閉じた。
そして、その大きな目を再び開くと、俺を射殺すような目で見た。

とても真剣な…
男の…王の目だった


「おまえを、俺の妻とする」


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