第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
胸の奥が、すごくあったかくて…
なんだろ…
これって…しあわせ…っていうのかな…?
そう思ったら、ぽろっと涙が出てきた。
「スゴイ…」
「え…?」
「セックスって凄い…」
「せ…?え…?」
好きだ
俺、ジュンフィスのこと好きになった
たったこれだけのことなのに
ジュンフィスは古代エジプトの王なのに
…男なのに…
ジュンフィスが俺の手で気持ちよくなったら、胸が張り裂けそうなくらい嬉しかった
今まで、いろんな女の人とセックスしても、こんなふうになったことない
それは…きっと…
「シャトシ…?」
戸惑った顔をして、俺の涙を拭うジュンフィスが、愛おしい。
「ジュンフィス…」
俺も手を伸ばして、ジュンフィスの頬に触れた。
「すき…」
素直に思ったことを口にしたら、ジュンフィスの目がまん丸く見開かれて。
「え…?」
「ジュンフィスがすき…」
伝えずにはいられなかった。
生まれてはじめて感じた、この感情を。
伝えずにはいられなかった。
嬉しくて、泣けて…
きっとジュンフィスにはいっぱい女の人や…
サクミル王子みたいな恋人がいる。
それでも構わないって…思った。
ジュンフィスが、欲しい