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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~



寝顔を見てたはずなのに…

次に目を開けたら、俺は空を見てた。
小さく切り取られたように、青い空が見える。
あれ…箱庭の天井だ…
なんで天井見てんだろ…?

そしてなんだか背中が温かい。

「…よく寝ていたな…」

ジュンフィスのむすっとした声が聞こえた。

「…ほえ…?」

なんと。
ジュンフィスに抱っこされてるではないか。
後ろから俺を抱えて、途方にくれたような顔をしてる。

「わ…わ…ご、ごめんっ…重かったでしょ?」

慌ててどこうとしたけど、ジュンフィスは離してくれない。

「このように、俺に寝顔を見せる女は初めてだ」
「ご…ごめん…あの…」
「なんだ」
「だから、俺…」

男なんだけどって言いかけた時、不意にジュンフィスの顔が近づいてきた。

「ん…?!」

唇に柔らかい感触。
温かくて…久しぶりの、柔らかい…

キス…してる…
ちょっとまて…
俺、キスしてる…?

「じゅ…ん…」
「こんな女初めてだ…バカ…」

そう言いながらも、ジュンフィスのキスはいっぱい降ってきて。

「ま…待って…」

なんか、苦い。
あ、さっき、マサスの家に伝わる薬を塗ってたんだ。

「…なんか、苦いぞ…」
「ご、ごめん…さっき、マサスからもらった薬、傷に付けたから…」
「ふん…あの薬はよく効く」
「知ってるの?」
「マサスの母親は、俺の乳母だからな。小さい頃は一緒に育った」

ああ…だから、さっきあんなに怒ったのか…

もしかして、唯一の友達…みたいな存在なのかな…?
だからあんなに怒ったのかな…

またジュンフィスの顔が近づいてきた。

「ま、待って…薬…」
「いやだ」

いっぱいいっぱいキスされて。
なんだか、抵抗できなかった。

するりとジュンフィスの手が、ワンピースの中に入ってきた。

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