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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


マツーオカ将軍は、おや?というように片眉を上げた。

「…王のことが気になりますか?」
「い、いや…気になるっていうか…」

だって、ここの全権握ってるのジュンフィスだし。
お願い事なら、直接言いたいし。

それに…あの日、あんな落ち込んだ顔をしてたから、どうしてるのかなって…

「もしかして、ナイルの娘、惚れちゃいました?王に…」
「ま、マサス!何言うんだよ!だから、俺はっ…」

男だからっていい掛けたら、外が騒がしくなった。
ナイル川の方から大勢の声が聞こえてくる。

マツーオカ将軍の顔を見ると、にっこり笑った。

「今日は王が視察に出ていたので、今、お戻りになったんでしょう。外に行ってみますか?」

そう言って手を差し伸べてきた。

「わあっ…外に出てもいいの?」
「お迎えだけですぞ?」

マツーオカ将軍に手を引かれて、ナイル川に出た。

「ナイルの娘っ落ちないように気をつけてくださいねっ!」
「わ、わかってるよ!」

マサスとダーオカが後ろに控えててくれるから、ナイルに落ちる心配はなさそうだ。
またワニに会ったらやだから、助かる。

外のデッキみたいなところを少し上流の方に歩くと、船着き場が見えた。

そこには、この前の軍船よりも一回り小さい、でも豪華な装飾の船が繋留されてる。

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