• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「お怪我の具合はどうですか…ナイルの娘よ…」

そう言うと、マサスが抱えてきた袋に手を突っ込んでなにか探してる。

「あったあった…」

差し出してきたのは、小さい壺のような物だった。

「これは…?」
「唇の傷に塗ってください。薬草を煮詰めたものです」
「ああ、ありがとう…」

受け取って中を見たら、どどめ色のスゴイ匂いのする塗り薬が入っていた。

「なんか…効きそうだね…」

そう言うと、マサスは嬉しそうに笑った。

「これ、うちに伝わる塗り薬なんです!」
「マサスのこの薬はよく効きますよ。どうぞ使ってみてください」

小指にちょっと取って、唇に塗ってみた。
もう傷はふさがっていたから、なんかスーッとするだけだったけど。
でもなんか早く治りそうな気がした。

「ありがとう。マツーオカ将軍、マサス…」

そう言うと、ふたりは嬉しそうに笑い返してくれた。

「…なにかお困りのことはありませんか?足りないものとか…」

そう言ってくれるんだけど。
多分こっからは出してくれないだろうなあ…

ジュンフィスに直接お願いするしかないんだろうけど。

「あ…あの、ジュンフィス…王はどうしていますか?」

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp