第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
「なに?」
「この前から、俺って…言ってますけど…その、ナイルの娘の国では女でも俺っていうんですか?」
「は…?」
あ、そうか!
この人達、みんな誤解したままなんだ…!
そういえば、支給される服も全部女物だし…
俺、服は着れれば何でもいいと思ってるから、おかしいと思ったけど素直に着てるんだよね…
って、でも女官たちは知ってるのに。
だって俺のをあんな嬉しそうに弄んでたじゃん…
なんで!?
もしかして…俺のイチモツ狙われてるのか…?
「うっそおおん!」
思わず、カウチの上で股間を抑えて蹲った。
またあんな大人数に襲われたら、俺、今度こそ自信ないっ!
もうティッシュがないから溜まりに溜まってんのに!!
「な、ナイルの娘!?どうされたんです!?」
「い、いや…あのね?俺…」
男なんだけど、って言いかけたとき、部屋の入り口から騒がしい声が聞こえた。
「ナイルの娘!居ますかあ~!?」
ドカドカとマサスが入ってきた。
後ろからマツーオカ将軍も入ってきた。
暇か。
こいつら暇なのか。
「お、ダーオカだったな。今日もちゃんとナイルの娘に仕えてるな」
マツーオカ将軍はゆったりと歩んでくると、カウチの横で跪いた。