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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「許さんぞっ…!」

突然、ジュンフィスが怒鳴った。

「サクミルもシャトシも、俺の知らぬ間にエジプトを出ることは、ならぬからなっ…」
「何を…アッカドはエジプトの属国ではない!おまえに指図される覚えはない」
「ここは、エジプトだ!俺の王宮だ!外国の者とはいえ、好きにさせない」
「はっ…何を言うか…本当に自分勝手だな…」

憎しみのこもった目で、サクミル王子はジュンフィスを睨みつけた。

「俺のバージン奪ったくせにっ!」

はあ?

「どうすんだよ!今まで男なんか興味なかったのにっ!」
「し…知るかっ!おまえだって気持ちよさそうにしてたじゃないかっ!」
「酔っ払ってたんだよっ!それをおまえがあんなことをするから…!」
「だあ!酔っ払うと、女みたく色っぽくなるからだろぉっ…」
「え…?」
「その…サクミル、凄く、色っぽかったから…だから…我慢、できなかった…」
「ジュンフィス…」

素っ裸のふたりは見つめ合った。

「…ごめん…言うこと、信用しなくて…でも、姉上は…」

意外に素直に、ジュンフィスは謝っている。

「…まあ、ジュンフィスにはいい姉貴なんだろうがな…」

サクミル王子を見て頷くと、ジュンフィスは俺を見た。

「すまなかった…シャトシ…」

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