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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


なにをしたも…

「なんにも…してない…」

っていうか…俺がされたのに…
じわりと涙が滲んできた。

「どうした…?シャトシ、泣いているのか?」

ジュンフィスが濃い顔を近づけてきた。
なんだよ…さっきまで姉上になんかしたのかって怒ってたくせに…


俺…そんな理由で、こんなとこに飛ばされたの…?

意味がわからない

弟の墳墓を見つけられそうだったから…?
弟の恋人を追い出すため…?

なんで…なんでそんな下らない理由で、未発見の王墓を発見しそこなうなんて…

…いや、待て…

そもそも俺は、今どこにいるんだ。
その未発見の王の目の前にいるじゃないか…

俺、もしかして…
今の世界の考古学界の誰も知らないことを、目撃できるチャンスなの…!?

なんだか、目の前がぱあっと明るくなってきた。
それと同時に、なんだかワクワク…

そして、殴られた頬は、ズキズキ…

「シャトシ…?その頬は…?」

さっき、力任せに殴られた頬が腫れ上がってきた。

「あーあ…そりゃ、酷くやられたね…どうせ、ニノシスだろ?」

気がついたら、ジュンフィスの後ろにサクミル王子が立っていた。
こちらも何も身につけておらず、丸見え…


せめて隠せ…頼むから…
立派なのはわかったから…

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