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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「いい機会だから教えてあげる…」

いきなり扇子を振り上げたかと思うと、思い切り頬を叩かれた。

「っ…なにするんだよっ…!?」

寝起きの俺は非常に機嫌が悪かった。
だから、女の人だというのに、飛びついて床に押し倒してしまった。

「無礼者っ…ジュンフィス助けて~~~!」
「なっ…何を言ってるんだ!?」

ニノールはニヤリと笑うと小さな声で囁いた。

「おまえが掘っていた、あの横穴…あの先にジュンフィスの墓がある」
「…えっ…!?」
「今まで発見されないように、細心の注意を払って守ってきたのに…そなたのせいだからな…?」
「嘘だろ…?」

あんなところに…?
だって、地中探査機じゃなんの反応もなかったのに…!

「機械に細工をすることなど、なんのことはない…愚かな学者風情に見抜けるわけがなかろう…」

そんな…!
本当に未発見の王の墳墓が…眼の前にあったのに…!

呆然としていると、ニノールに強い力で突き飛ばされた。

「無礼者ぉっ…無礼者ぉっ…」

狂ったように叫びだすと、蚊帳が大胆に開いて、ジュンフィスが出てきた。

「姉上!一体何だと言うんだ!俺の寝室で何を騒いでおる!」

あ、姉上…?

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