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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~




「ちょっと…起きなさいよ…」

囁く声で目が覚めた。

「ふにゃ…?」
「なんであんたがココで、サクミルの奴があそこに居るのよ…」

チッという舌打ちをしてるのは、女性…?
豪華な刺繍の衣装に身を包んで、ベッドのほうを見てる。

やっと眠りに入ったのに邪魔されて、至極俺は機嫌が悪かった。

「なに…?誰…?」

その女の人は、こっちを振り向いた。

「え…?」

どこかで…見たことがある…

「あんただったらジュンフィスの好みだし…上手いことサクミルを追い出せると思ったのに…」

その目には見覚えがあった。

「え…もしかして…ニノール…?」

ってまた、どうせそっくりさんだろ…
もうわかってきた。
この時代の法則。

ダーオカが出てきたんだから、ニノールだって出てきたって不思議じゃない。

ニノールは冷たく微笑んだ。

「え…?」
「…意外と物覚えがいいのね…」
「えっ…俺のこと、わかるの!?」

ニノールは更に冷たい笑みを浮かべると、立ち上がった。

「わかるもなにも…」

ふふふと笑うと、畳んだ扇子の先で俺の顎を持ち上げた。

「私があなたをここに連れてきたんだもの…」
「は…はあっ…!?」

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