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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「なんだ…もう準備万端なのだな…?」

嬉しそうなジュンフィスの声が聞こえる。

ちがう…眠いだけなんだよ…
だめだ、声を出すのも億劫…

そっと俺の体をベッドに寝かせると、ジュンフィスが覆いかぶさってくる気配がした。

「シャトシ…」

だからぁ…シャトシじゃないってば…

「…なぜだ…初めて会った気がせぬ…」

俺もそうだ…なにせ松本と顔がそっくりなんだから。

「シャトシ…」

だんだん、ジュンフィスの体温が近づいてくる。


キス…されるのかな…

なんか…

別に、いっか…

だって、ジュンフィス…なんか可愛いんだもん…


「うをっ…」

突然、俺の上に覆いかぶさっていた気配がなくなった。

「誰だっ…!うっ…!?」

ジュンフィスのただならぬ声が聞こえて、思わず目を開けた。

「じゅ…ジュンフィス…?」

ベッドの上にはジュンフィスは居なかった。

寝ぼけた頭を必死に巡らせて、部屋の中を見回してみたら、背後に黒い影がふたつみえた。

ひとつは、ジュンフィス…
もうひとつは…

「…酷いではないか…」

男の声だ。
一体誰…?

「酷いではないかっ…ジュンフィス!」

絶叫すると、その男は俺の方を見た。

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