第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
お酒って…古代では催淫効果があるって言われてたんだよなあ…
「あの…ジュンフィス…」
「ああん!?」
「あっ…ごめっ、そのっ…王、さま…?」
「なんだ」
ぎゅうぎゅうと押し付けていたコップを引っ込めると、俺の方に向き直ってくれた。
「あの、そのぉ…」
さっきの女官の言ってたこと…
お手が付くって…
やっぱ、そうだよなあ…
そんで、絶倫ってハッキリ言ってたから…
やっぱ、絶対そうだよなあ…
俺、やられちゃうんだよな?
どうしよう…俺、ソッチ系じゃないのに…
「どうした…?」
少し、ジュンフィスの声が、低い。
俺に向かってそっと手を伸ばしてくると、頬を包んだ。
「本当に平たい顔をしておる…そなた、海の向こうから来たのか?」
なんだか、さっきと打って変わって、とても静かに見つめてくる。
まつげがとっても長くて…その奥の瞳は、純真で…
吸い込まれるように、その目を見てしまった。
「そ、の…うん…海の、向こうから…来た、よ…?」
頬を撫でている手が気持ちいい。
体がさっきからほわほわと暖かくて。
なんだか眠ってしまいそうな気持ちよさに襲われた。
「…そなた、名は…?」
「え…さ、とし…」
「しゃとし…?」
「ちが…ぅ、さ…と…」
話してる最中なのに、眠くて眠くて…←血糖値上がりすぎ
目が勝手に閉じてしまった。