第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~
それからも、きれいな装飾のされてる皿やお椀に食べ物がモリモリと盛られて運ばれてきた。
「ちょ、ちょっと…こんなに食べ切れないよ!」
「なんだと!?腹が減っていると言ったのは、そなただろう!」
「そ、そうなんだけど…」
「ほら、これも食え」
ジュンフィスはあまりお腹が減ってないみたくて、小鳥に餌をやるように、俺の口に、木の匙でせっせと飯を運んでくれてる。
「んぐ…んぐ…んまい…」
「そうか!これもあるぞ!これは?」
焼いたパンくらいしか、なんだかわからなかったけど…
果物は現代のものとは比べ物にならないほど、酸っぱかったけど。
でも、久しぶりの食事に、とっても体が喜んでるのがわかった。
食べてる最中から、体がカッカしてきて…
「うふふ…ナイルの娘…」
給仕してくれてる女官の一人が、こっそり俺の耳元で囁いた。
「ジュンフィス様は、絶倫ですのよ…頑張ってくださいましね…?」
「は…はあっ!?」
振り返ったら、もうその女官は居なくて。
「何をしておる。これを飲め」
「い、いやちょっと…」
なんかどぶろくみたいな濁ったアルコールの匂いのする液体の入ったコップを差し出された。
「あ、お酒…?」
「ああ。飲めよ…」