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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~




「さあ!食え!」

あのあと…
ジュンフィスは俺を抱き上げたまま、爆笑するだけ爆笑した。

どうやら、笑い上戸らしい。
これも松本そっくり。

それから俺をベッドに寝かせると、さっきの女官たちを呼び出して、いろいろと指図していた。

しばらくすると、あれよあれよと寝室に食べ物が運ばれてきたってわけ…

「どうした!食わぬのか!?」

ぐいぐいと俺に迫ってくると、果物を掴んで俺の口に押し付けてきた。

「ま、まっふぇ…たべりゅから…」

もう…せっかち!

なんの果物だかよくわからない。
でも、もうお腹が限界だったから、ちょっと口を開けて、ジュンフィスが押し付けてきた果実を齧ってみた。

「…おいし…」

ぽつりと呟くと、ジュンフィスはとっても嬉しそうな顔をした。
年は、俺と変わらないくらいに見えるけど…
古代の人だからか、どこか少年っぽい風情を残してて。

…なんだか子供みたいで可愛い…

「って、何を思ってるんだ!?」
「は?」
「あ、いや…なんでもない…」

可愛いなんて…男相手に…
こんな眉毛太くて、俺よりもがっしりした男相手に何考えてんだ。

「いいから、食え!」

また唇に果実が押し付けられた。

ほんのり甘くて…そして、少しだけ懐かしい味がした。

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