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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第1章 仄暗い奈落の底から -sequel -


「ありがたいけどさ…遠慮しとくよ…」

ポンポンと智の肩を、翔ちゃんは叩いた。

「翔ちゃん…」
「俺だけ布団って、寂しいじゃん?」

そう言って、翔ちゃんは玄関に向かった。

「どういう意味…?」

翔ちゃんの背中に問いかける。
俺たちのこと…知ってるの…?

「だって…そのベッドは、智くんとニノが寝るんだろ?」

翔ちゃんはこちらに顔を向けず言った。

「じゃあ…おやすみ」

パタンと玄関のドアが閉まるまで、俺と智は何も言えなかった。

「…どうしよう…」
「和也…」
「やっぱり、嫌われたんだ…」
「違う…」
「違わないだろっ…あんなことっ…」
「だったら、今日だって来てないだろ…?」

ぐいっと体を抱き寄せられた。

「智…」
「わからない…わからないけど…嫌われてはない気がする…」

じゃあ、なんで…?

なんで俺たちのこと避けるの…?
なんでそんなに痩せたの…?

じわり、涙が滲んでくる。
我慢しても、勝手に身体が震えて…

「泣くなよ…和也…」
「うん…」

なんでそんな風になってしまったの…?

どうして何も言ってくれないの…?

俺たちのこと、必要じゃなくなったの…?

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