• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「おいっ…!」

頭がまだクラクラしてたから、壁に手をついたままいたら、ジュンフィスが俺の腕を強引に引っ張った。

「あっ…」

女たち(多分あれは、王宮に仕える上級女官なんだろう)に無理やり着せられた、麻の白いワンピースの裾を思い切り踏んづけて、ジュンフィスの腹に頭突きをかましてしまった。

「うごふっ…」

ジュンフィスは吹っ飛んで、ベッドにぼすっと埋まってしまった。

「ご、ごめんっ…!」

慌ててベッドに駆け寄るが、その途中でヘナヘナと崩れ落ちてしまった。

「もお…だめだあ…」

腹が減って動けなくなった。

「…おまえ…なんと無礼なっ……ってどうした?」

ジュンフィスは腹を擦りながら、ベッドから降りてきた。

「ご…めん…腹、痛かった…?」
「あ、ああ…それよりも、そなた具合が悪いのか?」

さっきは凶暴とも思ったけども、純真な顔をしてジュンフィスは俺の顔を覗き込んできた。

「ううん…そんなわけじゃないんだけど…」

顔が松本そっくりだから、王なのにタメ口になってしまう。

「では、いかがしたのだ」

心配そうな顔で、俺のこと抱き上げた。

案外、いいやつなのかも…



「お腹…減った…」

/ 831ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp